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イズモサマ 4

Penulis: 景文日向
last update Terakhir Diperbarui: 2026-01-04 20:03:06

 ————帰り道。うちが、余計なこと華に訊かなかったら良かったんかな。後悔先に立たず、とは言うけれど。後悔せずにはいられない。

「あの、そこの貴女」

 黒髪を一本に結っている女性に引き留められた。彼女は巫女服で、一瞬「まさか……」とは思ったがうちは無関係なはずなのでその考えは捨てた。さっきも、うちは狙われる要素がないって言われたし。早歩きで無視すると、急に足に力が入らなくなった。

 立てない。恐る恐る足の方を見ると、ない。その部分だけ綺麗に切り取られたかの様に、血の一滴もなくうちの足はなくなっていた。バランスを保てず前に倒れ込むと、アスファルトの突起部分が各所に刺さり痛い。うちは自分に何が起きたのか、認識できずにいた。これでは、逃げることなど出来ない。

 殺される! と思ったが彼女は少し猶予をくれた。

「藤原、と姓がつく人間に心当たりは」

 ここで答えなければ、今度こそ確実に死ぬだろう。だけれど、千秋の件もありこれ以上犠牲を増やしたくなかった。

「知らん。うちに訊かんといて」

 彼女は諦めたのか、後ろを向いた。足がないので這って移動することしか出来ないが、これで「イズモサマは復活している」ことを伝えられればまた対策も練れるだろう。

「……嘘を、吐いた?」

 彼女の顔が目の前にあった。呪いだと言われても信じることの出来ない美貌に、思わず見惚れてしまう。長い睫毛、意志の深い瞳。唇は薄く、儚い印象も同時に与えられた。

「嘘つきには、お仕置きを」

 彼女の手は、手というか指はうちの右目を抉り取った。ブチブチと、神経が破壊される感覚。痛くて、絶叫しても誰も来ない。やがて完全に右目が見えなくなると、彼女は満足そうに

「もう、嘘は駄目。二度目は無いからね」

 と言い残し去っていった。命だけは助かったが、明日からのことを考えると絶望しかなかった。車椅子で過ごすのは確定だし、右目も抉り取られているし。とりあえず家族に電話して、病院に連れて行って貰おう。

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  • 呪われた巫女様   オスワサマ 4

     家のドアを開け、入る。「ただいま」「おかえり、今日は朝早かったわね。夕飯はもう出来てるから、食べちゃって」 手洗いとうがいをさっと済ませ、夕食に手を伸ばす。今日はキノコを和えたものに、昨日のお浸しの続き。親に今日のことを悟られない様に、笑顔を取り繕って食べる。味は全然しなかった。 夕食と風呂を済ませ、ベッドに寝っ転がる。オスワサマが封印されていた箱を手に取ってみても、ただの古びた箱だという認識しか出来ない。しかし、これだけ厳重に封印されていた理由は何なのだろう。やはり、厄災なのだろうか。だとしたら、最悪俺は自害させられるかもしれない。S市は、時代の流れが何処かで止まっている奇妙な町だ。ことオスワサマに関しては、古くからの住民は気にかけている人間も多い。だからこそ、早く見つけ出して封印し直さなくては。俺の霊感は微々たるものだが、外部から有名な神職の人間を引っ張ってきてその力を借りれば容易いことだろう。 朝起きると、快晴だった。嫌になる程の。俺の心はこんなにも曇っているのに。天気に八つ当たりしても仕方がないので、制服に着替えて朝食を済ませる。歯磨きをし、家を出て桃華を迎えに行く。俺たちの仲は、周囲の人間も公認でひやかされることもあるけれど概ね上手くいっていた。「桃華、おはよう」 俺が彼女の家に着くと同時に、玄関のドアが開いた。「おはよう、信。……ねぇ、オスワサマ見つかった?」 首を横に振ると、「今日から私も協力するから! 一緒に探そう」と言ってくれた。どこまでも真っすぐな存在だ。そういうところが好きなのだが。しかし、放課後使える時間は限られている。効率的に捜査しなければ。 オスワサマのことばかり考えていたら、あっという間に放課後になっていた。昨日の疲労もあり、寝ていたのも一因かもしれない。「信、ほら行くよ。二手に分かれて探そっか」 桃華から差し伸べられた手を取り、立ち上がる。「俺は駅の方見てくる、望みは薄いけど」「じゃあ、私は公園を中心に見て回るね!」 役割分担が決まり、一時間後に桃華の家の前で集合することになった。  しかし、当たり前なのだが人目につくような場所に蛇神はいない。駅前なんて尚更だ。こんな田舎でも観光客が来るくらい、世界の人々は旅好きらしい。全く理解が出来ない。自分の見知った土地でしか安心できない俺の方が珍しいのかもし

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